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2006年5月10日 (水)

<真実>VS<信じること>;二日連載

  • 本日、研究授業(2年B組、英語(英文法、英作文;U先生)でした。先日の2B数学とあわせて後日、授業概要をアップ致します。
  • 明日、授業振り替えで健康診断です。体調を整えて登校しましょう。

中間テストがだんだん迫ってきますね。そこで、今日と明日、二日続きで、勉強、学問ということについて考えてみたいと思います。

勉強や学問をすると、目からウロコが落ちる思いをすることがあります。「わからなかったことがわかるようになった」、「間違って覚えていたことに気がついた」、そういうときは、ほんとうに勉強して良かったなと思えますね。真実の発見に遭遇したわけです。

9日、三年部の「学年だより」で、学年主任のT先生が、ガリレオ・ガリレイのエピソードを引きつつ、「真理・真実」の大事なことを説いておられます。学問の目的には便利さの追求もあるにはありますが、一番は「真実の発見、真実の探求」です。私もT先生にならって、「真理・真実」について述べてみたいと思います。

さて、数年前に発覚した「遺跡発掘捏造(ねつぞう)事件」を覚えている人も多いことと思います。(※捏造=嘘を真実らしくこしらえること。)

060510netuzokamitakamori_1 私の日本史授業でも近々取り上げますが、八年前の1998年(平成10年)の日本史教科書には、「上高森遺跡;60万年前、日本にいた原人(げんじん)が埋めた石器」というのが載っています。とても綺麗な放射状に石器を並べて埋めた「遺跡」でした(写真参照)。こんな幾何学的な埋め方をするなんて!それも60万年前!私もすごいと思っていました。北京原人が50万年前ですから、それよりも古くから日本に原人がいた証拠どころか、その資質の優れていること!もっとも、その時代の日本からは人間の骨が出ていないことなどから、人類学者をはじめ世界の学者は危うい話だと思っていたらしいのですが、「石器が間違いなく出たのだから」と<信じられて>、教科書にも載せられたのでした。

 

 ところが今はもう載っていません。なぜなら、それは発掘担当者(すなわち現代の日本人)が自分で埋めて遺跡だと発表したことがわかったからです。ここで考えたいことは、発掘担当者が、なぜ石器を埋めたのかということです。実は彼は、「日本には50万年前に原人がいたはずなのに石器が出てこないのはおかしい。必ず出てくるはずだ」と信じていたわけです(信じたかったと言ったほうが良いかもしれませんが)。恩師や仲間に「日本の50万年前の地層から必ず石器を発掘します」と言っていたといいます。それが、<原人がいたのは真実なのだから」「石器が出てきたことにしても問題はなかろう。正しいのだから>というような考えに暴走し、自分で埋めて「発掘した」ことに行きついたのでした。

 060510_00nen_netuzo_kamitakamori_1 でも、埋めているところの写真を、2000年11月、毎日新聞によってスクープ報道され(「上高森遺跡の発掘捏造事件」)、真実ではなかったことが明らかになりました。彼の「信じ込み」は「真実」ではなかったのです。それで2001年からの教科書等からは削除されました。

 「真実」とは一筋縄ではいかないことがお分かりでしょうか。この問題を明日も続けて考えていきたいと思います。今日はここまでにします。

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