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2007年2月28日 (水)

バッタンバンより~第2の視察校~(執筆:樋口)

Photf2 プノンペンから一路国道5号線をひたすら北上した私は、バッタンバン市内で1泊し、カンボジア滞在も2日目を迎えました。これからは一度北上した道のりを取って返し、プノンペンに戻る旅となります。2日目最初の視察校は、バッタンバン州のターナッ小学校です。ここは国道5号線から、少し横道に入ったところにあります。カンボジアでは国道を逸れるとすぐに写真のような風景になります。舗装されていない道を走る車は、喩えるなら徐行するジェットコースターといった感じでしょうか。ゆっくり走っている(というか絶対に速度を出せない)のに、みぞおち辺りに衝撃を感じるほどの強い揺れを何度も味わいました。

Photf1Photf3 国道を逸れてすぐのところに線路がありました(左側の写真)。これは貨物列車用の線路です。人を遮る柵などはありません。枕木は土埃に埋もれ、無いように見えます。右側の写真は、小学校近くの民家です。民家はどこもこのように高床式です。この辺りの人々は、みんな農家だそうですが、一体どこで何が穫れるのだろうと心配になるような風景しか、周りには広がっていません。(しかし、バッタンバンはカンボジア随一の大穀倉地帯だそうです。雨期になるとこの景色が一変するのかも知れません。)

Photf4Photf5ターナッ小学校の入り口です。学校の敷地は簡単な鉄条網で囲われているだけです。敷地の外は、まるで原っぱのような田畑(おそらく)がどこまでも広がる、そんな風景です。右の写真は、ターナッ小学校の先生方です。訪れた時には、あいにく校長先生が不在だったため、この先生方3人が応対してくださいました。後ろでスタッフのサコーンさんがミネラルウォーターを飲んでいる姿が見切れていますね(笑)。 

Photf6Photf7ターナッ小学校には2つの校舎があります。一つは、97年ユニセフ支援の木造5教室の校舎(写真左)です。1室は職員室として使用されています。右側はその教室内の風景です。 しっかりした校舎ですが、木造なので隣の教室の声が結構響いて聞こえてしまいます。

Photf8_1Photf13_1もう一つの校舎は、ポルポト時代に建てられた木造2教室の校舎です。こちらは、はっきり言って校舎というよりも古びた馬小屋といった有様でした。教室の壁は外からの光が漏れ入るような状態で、雨風が吹くと教室内に入り込んでしまうそうです。直射日光と日陰のコントラストのきつい教室内は、黒板の文字が見づらい状況でした。   

Photf11

Photf12この校舎は、特に低学年の子ども達が使用していましたが、机が大きすぎて体に合っていないのがよく分かります。風雨や直射日光に晒される状況のため、机の傷みも早いようで、右側の写真を見ると子ども達の背後には、表面がボロボロになって使えなくなっている状態の机が写っています。教室の状態も悪く、ノートを持っている生徒も疎らな状況ですが、それでも子ども達は一生懸命勉強しています。

Photf10_4Photf17_3 カメラを向けていることに気づくと、子ども達が恥ずかしがって下を向いてしまうことが多かったので、これ以上授業の邪魔をしないよう遠巻きから撮影することにしました。遠くから見ていると、おそらくクメール文字の勉強だと思うのですが、クラス全員で大きな声で斉唱する声が響きました。校舎の壁には、覚えたての文字を練習した跡でしょうか、チョークで書かれた落書きが見られました。

Photf15Photf16_1 左側の写真は、お菓子などを売っている屋台です。カンボジアの学校の敷地内には、どこでも大抵こういう屋台が入っています。日本でいう購買部みたいな存在でしょうか。右の写真は、校庭にあった鉄棒です。遊具らしき物は、見渡す限りこれだけでした。しかも、鉄の棒が真ん中の一番高いところにしかついていません。そこに飛びついたサコーンさんが、見事な着地を決めています。その様子から鉄棒は頑丈であるようですが、大人の背丈でやっと届くような高さにしかないことが分かります。これでは子ども達は遊べません。ここはもっぱら自転車置き場と化してしまっているようです。

Photf18_2 カンボジアでは、都市部を除いて基本的に電気もガスも水道も通っていません。電気が必要な時には、小型の発電機を利用します。ガスの代わりには、木や木炭を燃やします。水道の代わりには、井戸を使います。しかし、井戸水は多くの場合、大腸菌が混入しており飲料水には適しません。水は主に汲み取り式トイレを流すために使います。ターナッ小学校には井戸もなく、近くの池の水を利用しているということでした(左写真はトイレ)。ここの視察で実感したのは、当然の事ながら田舎の方がより状況が悪く、支援の必要性・緊急性が高いということです。バッタンバンは、タイと国境を接する州です。ターナッ小学校は、国道にほど近くとても安全な場所ですが、国境付近の地域まで行くと、まだ地雷が眠っている危険性があります。そういう場所には、危険を知らせる立て看板が立っているそうですが、識字率の低い農村部では、その看板の字すら読めずに地雷の犠牲となってしまう幼い子どもが、まだいるそうです。地方の農村部にこそ、読み書きを教えることが急務なのですが、そういう地方ほど教育環境が整っていないというのが現実です。

Photf19Photf20_1立派な校舎も、教科書もノートも鉛筆も、遊具も、ましてや井戸もない環境の中に居て子ども達は、けれども不平を言う様子もなく、その現実の中で明るく元気に勉強しています。そのひたむきな姿を眺めていると、自然と胸の奥を強く打たれるような感覚に襲われます。その衝撃は、徐行するジェットコースターの比ではありませんでした。(樋口)

※すでに在校生には、「『海外に学校をつくろう』NEWS」等でお伝えしましたが、校舎建設地をこのターナッ小学校に決定致しました。今後は、3月下旬着工~7月末完工予定で建設が始まります。支援を予定しているのは、校舎1棟(4教室)の建設、トイレ1棟(3室)および井戸の建設、校舎内備品(机・イス・黒板)です。ターナッ小学校の上記のような状況を鑑み、校舎建設以外にも、教材・文具・遊具などの支援もできないか現在思案中です。ぜひ今後とも、この事業に対する皆様のご支援、ご協力をお願いしたく存じます。どうぞよろしくお願い致します。(樋口)

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