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2008年10月17日 (金)

授業≪現代の思想≫ カンボジア「クメールルージュ:ポルポト政権」

  • 本日(17日)と明日(18日)、信州長野に出張です。今日明日は、日時指定でアップします。
  • 18日と19日帝京大学文化祭で梶原さんが待っています。(⇒クリック:帝京大学文化祭のお知らせ)。お出かけください。私は19日に行こうと思います。
  • また、東横短大(←クリック)としての最後の文化祭も18日と19日です。お出かけください。18日は山本寛斎氏(デザイナー、イベントプロデューサー)の特別講演があります。

ng敵味方しかいない思想・・・グレーゾーン(中間項)はありえないという思想ok

 先日の記事で、カンボジアの年10%を超える経済成長に触れましたが、今日は、カンボジアが経済成長どころではなく、殺戮(さつりく)だらけだった時代=ポルポト政権時代のポルポト思想について、話してみたいと思います。

  • 今日の写真は、既掲載です。いずれも現代カンボジア農村に続々と建てられている民家。今、カンボジアは農村の民家においても近代的装いをもった新築家屋が建てられています。

 いささか硬い話になります。現代社会の授業のつもりでお読みください。

Dsc_7220_house 先日、カンボジアのポルポト政権時代ならば、周りの住居より大層立派な家を建てた人は、即座に「資本主義的」、「反共産主義的」と烙印を押され、逮捕処刑となるだろうと書きました。

Dsc_7220_house5つまり、ポルポト時代には、仮に経済成長があったとしても、このような住宅新築ラッシュは絶対にありえなかったわけです。

 ポルポトが政権を追われた79年からもう30年がたちますが、近年に至るまで、なかなか農村では開発が進みませんでした。内戦が続いたということもありますが、ポルポト後遺症がつい最近まで残っていた影響ということも言えます。

 ポルポト後遺症・・・

Dsc_7220_house2 ポルポト時代は知識人、地主、金持ちは有無を言わさず殺害の対象となりました。

  •  ≪中国流共産主義である毛沢東思想≫を盲目的に崇拝し、徹底させようとしたのがポルポト政権です。クメールルージュというのがポルポト派の共産党の名前です。(クメールルージュはフランス語で、「赤いカンボジア」という意味です・・・カンボジア語をクメール語といいます)。ポルポトはフランスに留学して学んだエリートでした。

Dsc_7220_house6 ポルポトは、特に毛沢東共産主義のなかの「政権は鉄砲から生まれる」とか「農村が都市を包囲する」や「知識人は旧体制の思想家」という考えを徹底させようとしたと言われます。

 それで、ポルポトは、国民や住民を、〈革命派か敵対派か〉の白黒にきっぱりと二分しました。

Dsc_7220_house7 革命派と敵対派のどちらにも属さない中間ゾーンや無関心ゾーンの存在を認めなかったのです。

 つまり、革命派に全身全霊忠誠を誓わない者は、全員かまわず「敵対派」として迫害を加え、処刑したわけです。

Dsc_7220_house8 「自分たちの組織」か「敵」かのどちらかしかないわけです。こういう考えの持ち主が政権を握ったわけですから、中間層の存在を認めず、忠誠を誓わない・・・ポルポト派の思想に違和感を感じる人々は「敵」に分類されました。

 ポルポト政権が、フランス革命におけるジャコバン派恐怖政治やナチスドイツのヒトラーをしのぐ恐怖政治であったと言われる所以です。

 だから、相対的に裕福なものは有無を言わせず財産をとりあげられ、農村下放されたし、知識人は殺害され、学校教員も旧体制を支える知識人だからということで、その8割が殺害されたといいます。

Dsc_7220_house4 これがカンボジアの学校教育が破壊された一番の原因です。

 ところで、このポルポト的蛮行を異国のことと思い過ごすことはできません。

 日本においても、特定の目的をもった集団の中ではよく起こりえることだからです。

 古くは1970年代前半の連合赤軍事件、新しいところでは20世紀末のオウム真理教事件があります。

 しかし、そういう極端な例はいざ知らずとしても、世の中には、身の回りの人々を「敵か味方」の白黒二分で色分けしたうえで、「味方でない=敵」と位置づけた相手には日常の挨拶すらしないという人がいます。そういう≪仕方≫は「ポルポト的な」やりかたです。

 オウム真理教事件は10年以上前のことになりましたが、あの事件のときも、「自分たちにオウム真理教的な要素はないのか、振り返ることが二度とオウム真理教のような団体を生み出さない道だ」という評論家がいました。

 私は、カンボジアを去年と今年の二回しか訪問していないわけですが、以上のような新築ブームという日常的風景を見るだけでも、ポルポト政権というものについて、いろいろ考えが巡りました。

 ポルポト的なるものを自分の中からなくしたいと思っていることが、そうさせるのでしょう。皆さんも考えてみてください。

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