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2009年11月 4日 (水)

夜空の月の呼び方:日本人の風流

先週金曜日(10月30日)、十三夜について書きました。その続きです。予告より少し遅れてのアップとなり申し訳ありませんでしたが、今日もweb授業のつもりで読んでいただければと思います。

日本人の風流

091030_full_moon_zoomup 日本人は、満月に限らず、空に浮かぶ月をこよなく賞(め)でてきました。十五夜の満月は夕暮れとともに東の空に昇ってきますので、子供達でも容易に眺めることができます。

夕方5時から6時ごろ、暮れかかる山の端や地平に大きく浮かぶ満月に見とれた思い出は誰の目にも焼き付いていることと思います。

 しかし、十五夜の翌日からの月は少しずつ時間が遅れて昇ってきます。ですから、夜、外を眺めたりするのを止められる子供たちがそれらの月をながめる機会は少なくなります。しかし、大人、特に風流人は、毎日、月を眺めたわけです。

 十五夜翌日からの月のことを次のように命名して、月を眺めました。

  •  十六夜(いざよい)・・・ちょっと見には、ほとんど満月と思われるほどの完全な円形に見えます。でも、よくみると欠けているのが分かります。「いざよう」という言葉は「ためらう」「迷う」などという意味です。
      いざよいの月は、満月の出よりも少し遅れます(およそ30分~40分ほど遅れます)ので、出てくるのを何かとまどっているのかな思われるということで名づけられたわけです。
  •  十七夜(立待月・たちまち月)・・・立って待っていると出てくる月ということで、十五夜のようにすぐには出てこないが、家に入らなくても、外で立って待っているうちには出てくるよ、ちょっと待っていようかという気分のあふれた呼び方です。
  •  十八夜(居待月・いまち月)・・・立待月のときのように、月の出を立って待っているとくたびれてしまうので、居(すわ)って待つことにしよう、座っているうちには出てくるだろうから、その辺に腰掛けておきなよということですね。
     あるいは先に食事を済ませておけば、そのころには出てくるだろうよということでのネーミングですね。
  •  十九夜(寝待月・ねまち月、臥待月・ふしまち月)・・・寝て待つ、臥せて待つといことですから、十九夜になると、十五夜からすると2時間か3時間も遅れて昇ってきます。夜も少々進んでからの月の出といことになります。
     食事を終えた後、横になっていれば出てくるだろう、気長に待つかなという雰囲気ですね。
  • 二十夜(二十日月・はつか月、更待月・ふけまち月)・・・十五夜から5日後、もう半月(はんげつ)に近くなってしまっています。(下の写真が二十夜が明けた空にかかる月です)
    夜もかなり更けてからの月ですので、更け待ちの月となります。
     こうなると、よほどの粋人(すい人)でなければ、賞でるということはしませんね。しかし、このころは夜が明けてからも、西の空に浮かぶ月を見ることができます。ですから前の夜には月見をできなかった子供も、見ることができます。
     子供時代、学校に通うときに目にした白い月にも心が通ったことを覚えておられるでしょう。

091030_1009moon091030_1009moon_zoomup

 実は、二十夜の明けがたの月(←写真)だけでなく、十六夜の月から十九夜の月も明けがたの空にぽっかりと浮かんで見ることができます。

 これらを≪有明の月≫と呼びます。ここまで月に命名するか・・・と外国人ならば思う人もいるかもしれませんが、実に美しい響きの日本語ですよね。日本人の月に対する思い入れ、風流心を表す言葉です。

 私はホームステイの引率で米国オレゴン州に行ったときに、有明の月をみて日本に思いをはせましたが(↓下の記事参照)、米国の人々にそのような風情はなかったように思います。

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